☝ 自筆証書遺言が見つかったら？遺言検認手続きについて名古屋の司法書士が解説。

遺産相続が発生し、自筆証書遺言を発見した場合には、以下のことに気をつける必要があります。 　

 ① 自筆証書遺言が封印されている場合には、勝手に開封はしないで下さい。（勝手に開封した場合には５万円以下の過料に処せられますので注意が必要です。ただし、勝手に開封しても遺言自体が無効になったり、開封者が相続欠格になるようなことはありません。）　

② 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、遺言を提出してください。（原則、相続人全員に裁判所から通知書により召集がかかり（参加は義務ではありません。）参加した相続人全員の確認のもと自筆証書遺言の封印を開封することになります。一方、公正証書遺言の場合は、その遺言と同じものが公証役場に保管されているため偽造・変造の防止・保全の必要性がないため、封印開封の罰則規定の適用はありません）　

③ この管轄裁判所において行われる自筆証書遺言の検認（けんにん）手続きとは、遺産相続が発生した後、その遺言の偽造・変造を防止するために、裁判所がその保全を行う手続きです。ただし、検認手続きをしたからといって遺言の内容が有効に確定するわけではありません。

遺言の内容に異議のある相続人は、その無効の主張（遺言無効の訴え）を別途していくことになります。また公正証書遺言の場合は、その保全の必要がないため、遺言の検認手続きの規定の適用はありません。） 　

③ 遺言の内容の中に遺言執行者が選任されている場合は、相続人はまず遺言執行者に連絡をとり、その指示に従うことになります。遺言執行者が選任されていない場合は、裁判所に請求することにより遺言執行者を選任することもできます。（義務ではありません）

遺言執行業務のなかでも特に複雑な財産の管理・執行業務等がある場合は、お近くの弁護士・司法書士にご相談・ご依頼されることをおすすめします。  　

④ また、手書きの遺言は、その財産の特定が不十分であったり、「相続させる」「遺贈する」などの文言が使われていないため疑義が生じたり、あるいは作成日にちを「吉日」と書いてしまったりと、せっかく遺志を残しにも関わらず、遺言の形式を満たしていないため、疑義が生じたり、無効になってしまうことが頻繁に生じているという現実があります。

効力が適切に生じている遺言か、また、各窓口で相続手続きを行うときに問題が生じるような遺言では作成した意味がありません。最優先で、適切な形式を満たしている遺言書かどうか、確認を進めましょう。不明確さが否めないときは、司法書士や弁護士などの法律専門家に確認していただくことをおすすめいたします。